お世話になりました

お久しぶりです.今日まで修士2年の渡邉です.
私が学部4年のときに同期の佐々木君と始めたLabLifeの企画ですが,とうとう私が更新する記事はこれで最後になります.無事に電通大の博士前期課程を修了し,私は企業への就職の道を選んだということで,昨日,電通大や柏原研究室に別れを告げてきました.

研究室のある西3号館とお別れ

昨日は研究データを全部まとめて共有ドライブに移し,PC内のアプリから自分のアカウントを削除する作業をしていたのですが…….研究室を去るからやっている作業なのに,明日も同じようにここで作業しているんじゃないかと,そんな気がして,なんだか不思議な感覚でした.研究室の鍵を管理担当の後輩に返却するときも,「3年間ずっと持っていたこのカギを,ついに返すのか……」としんみりした気持ちになりました.
本当に,たくさんの学びがあって,たくさんの人に支えられた3年間だったと思います.


柏原先生には,私の研究に対して熱心に,手厳しくご指導いただけたことにとても感謝しています. 一週間しっかり考えてまとめた研究ミーティングの資料に対して,考慮不足の点をズバッとご指摘いただいたのは,最初の頃は心が折れそうになりましたが,だんだん「どこまで考えてもゴールはないんだ.ずっと考え続けなければいけないのが研究なんだ」ということを理解することにつながりました.

修論発表を終え,周りの研究の面白さに圧倒されて「自分の研究は,他の誰かを感動させるような研究になっているのか……」と弱音を吐いているときも,私の研究にはインパクトが足りないんじゃないかとご指摘くださり,「変えるか変えないかは自由だけど……」とおっしゃりながらも,最後の対外研究発表へ向けて熱心に指導してくださったことに,感謝してもしきれません.

柏原先生のおかげで,自分が納得できる形で研究に一区切りをつけることができました.

そして,柏原先生には,国内・国際どちらも多くの発表の機会をいただけました. 特に,昨年の12月に行ったハワイの学会(AHFE2025 Hawaii)の様子は,LabLifeでも紹介したかったのですが,修論や研究発表に追われて記事としては書けませんでした…….せっかくなので,ここで少し写真を紹介しますね.

日本や海外のいろいろな場所を訪れるきっかけになったことももちろんですが,研究発表のために自分の主張をまとめて,他の人に理解してもらえるように伝える経験を(日本語でも英語でも)積むことができて,とても貴重な機会となりました.(ハワイは少し卒業旅行みたいな開放的な気分もありました.今思いかえしても鮮明に思い出せるほど本当に楽しかったです.)


そして,同期や先輩・後輩の皆さんとは,研究の議論をたくさんしたり,研究以外の話もたくさんすることができて,本当に幸せでした!
特に最後の一年は,同期や後輩とたくさんご飯に行ったり(週3くらいで行ってた気がする),一緒に帰ったりしながら,趣味とかプライベートな話をできたことが嬉しかったです.カラオケやダーツに一緒に行けたのもすごく楽しかったです!

それから,私を人間的に成長させてくれたのも,柏原研究室の皆さんです.
3年前は毎日同じような服を着て研究室に通っていた私ですが(正直,着られるなら何でも良いと思っていました……),一緒に服を買いに行っていろいろ教えてくれたり,毎日研究室で料理をしている同期を見て私も料理してみようと思ったり,居酒屋に連れて行ってお酒を飲めるようにしてくれたり,スキンケアとか髪のセットとか教えてくれたり,眉毛サロンがおすすめだよと提案してくれたり,コミュニケーションスキルを教えてくれたり……思いかえすときりがありません.

柏原研での日々があったから,今の私があるんだと思います.

そして,価値観の話みたいな深い話ができたり,趣味の音楽やゲームの話とかで盛り上がれたり,合宿で夜通し雑談したり,静岡の方言を教えてくれたり,そして静岡ドライブに行ったり,本当に思い出がたくさんあります.

学生時代という人生の大事な時期に,柏原研の皆さんと出会えたこと,一緒の時間を過ごせたことが,本当に幸せです.そして,後輩の皆さん.そして博士後期課程に進む佐々木君.研究の議論では,つい厳しいことや難しいことも言ってしまったかもしれませんが,皆さんが進めている大切な研究に立ち会い,ともに深く考えるという経験をさせてもらえたことは,私にとって大きな財産です.皆さんが信じている研究の価値は,きっと本物です.壁にぶつかることもあるかと思いますが,みんなならきっと乗り越えられると信じています.これからも研究室のみんなで切磋琢磨しながら,世界を驚かせるような研究を成し遂げてください!応援しています!


そして,少し個人的な話になりますが,特に修士の2年間に頑張れたのは,あるゲームのおかげだったりします.特にここで名前を出すわけではありませんが,このゲームと伴走した2年間でした.

「やるべきことにしっかり取り組むことの大切さ」,「周りにいてくれる人との時間を大切にすること」,「信じる力こそが,人間の持つ他のどんな力よりも強いこと」,「責任を負うということは,自分の生きた証を未来へ残すこと」,「人間は可能性に満ちた主体だということ」,「人間も社会も不完全だからこそ,間違えたことの後悔や不条理への悲しみが,未来を生きる原動力になること」,「自分で決めたことを成し遂げることが一番幸せなんだということ」そして「何があっても決して希望を捨てないこと」,すべてこのゲームが教えてくれたことです.

(そして,統括プロデューサーが使っているブランドだからというので,スマホやタブレットを買い換えたのも,このゲームのおかげです(笑))

このゲームがあったから,帰りの電車の中で待っていてくれたから,どんなに研究が辛くても頑張ろうと思えました.社会人になったらもっと「貢献」して,これからも支えていきたいと思います!


最後に,柏原研究室で研究に取り組んできた思いを,ここに残したいと思います.

私が研究へ取り組んできた最大のモチベーションは,「すべての人に『学ぶことは楽しい』と感じてもらいたい」という思いです.

私は小さな頃から学ぶことが好きでした.もちろん学校教育では好きな教科と苦手な教科はありましたが,小学校のときは休み時間でも算数の問題を解いたり,楽譜を読んだり書いたりしていました.それから家にはコンピュータがあったので,それをずっと触っている毎日でした.
中学や高校になると,嫌いだと思っていた教科でも,好きな教科と関連していることが分かってきて,だんだん好きな教科が増えてきました.

その一方で,周りには学びに興味が持てない人もいました.授業に興味を持てなそうにしている友人に,「こんなところが面白いんだよ!」とか「一緒にやってみようよ!」と声をかけたりもしたのですが(今思うとお節介だったかもしれませんが),なかなか学びの楽しさを共有することはできませんでした.
せっかく学ぶなら,嫌々やるよりも「面白い!」と思って取り組めたほうが,学校生活ももっと楽しいはず.それなのに、自分の大好きなものの魅力を,一番近くにいる友人と分かち合えない…… そんな共通言語を持てないもどかしさのようなものが,当時の私にとっては寂しく,どこか悔しかったのだと思います.

そういったある種の自分勝手なもどかしさと,柏原研究室が掲げる「Intelligence Augmentation (IA: システムを人の代替として使うのではなく,人の知性を増幅するために使うというアプローチ)」に感銘を受けて柏原研に入ったのですが,今の思いは少し違います.
「社会に当てはめて人を教育する」のではなく,「人が社会を創っていく.人の個性を育てるために教育がある」という風に,自分の中で教育観が変わってきたからです.

もちろん人によって教科や分野の好き嫌い,学校教育の合う合わないはあるし,それはあっていい.だけれども,何か一つ「これだ!」と思えるもの,時間もご飯も忘れるほど熱中できるものがあったほうが,その人は輝く.だからこそ,すべての人に,何か一つでも『学ぶことが楽しい』と思えるものを見つけてもらえる社会を実現したい,と思うようになりました.

好きなものを見つけてもらうには,まずはいろいろなものに取り組んでみてもらうことがとても重要です.取り組もうと思ってもらうには,どのような題材であれ,その人が「取り組みたい!」と思えるような側面を見せることが重要.そのために,私は修士の2年間をかけて「動機付け」の研究に取り組んできました.

そして,その思いの”道半ば感”は否めないですが,研究に一区切りがついたタイミングで,私は次の道に進むことを決めました.
これから私が就くのは,企業のビジネスを支えるシステムをつくるエンジニアです.今までは「誰かの好きなものを見つける」ことを支えるために研究を行ってきましたが,これからは「誰かが好きなものの価値を社会に届ける」お手伝いをするために仕事に取り組んでいきます.
多くの企業は,その企業やそこで働く社員が「これがあれば社会がもっと良くなるんだ!」と思った商品やサービスを提供していて,さらに「その商品・サービスを創るのが好きだ!」という思いを込めて仕事をしています.
誰かの「好き」の結晶である商品やサービスを,社会の多くの人に届ける手伝いがしたい.その思いから,私はこれからシステムエンジニアの道を目指します.

この思いをしっかり言葉にできるようになったのも,柏原研究室で自分のやりたいことをしっかり形にできた3年間があったからだと思います.


少し私自身の思いが強くなってしまったLabLifeですが,これから研究室を出る修了生の言葉を読んで,「柏原研究室って素敵な研究室なんだな」と感じていただければ,とても嬉しく思います(という,自分語りが多くなってしまったことへの後付けの理由ですが……(笑))

私と同期の佐々木君で始めたLabLifeですが,そして私より佐々木君が書いた記事のほうが圧倒的に多いLabLifeですが,後輩にもたくさんの記事を書いてもらえて,すごく嬉しいです.

今後は私もLabLifeを読む側に回ります.これで完全に後輩にバトンタッチですが,次はみんながどんな研究室の日常を届けてくれるのか,一人のOBとして更新を楽しみに待ってます!

ぜひ,これからの柏原研究室のLabLifeをお楽しみに!

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