柏原研究室のテーマ

Overview

人間の学習をいかに支援するか?この問いに答えるには,どのように学習が行われるか,あるいはどのように学習が行われるべきかを理解することが非常に重要である.このような学習プロセスを構成的に解明・発見することが学習科学(Learning Science)であり,学習プロセスを具象化・活性化するための方法論や基盤技術を確立することが学習工学(Learning Engineering)である.

柏原研究室では,学習科学と学習工学の両方の見地から,「学習モデル作りこそeLearning研究の本質」と捉え,先進的なeLearningの実現を目指して研究を進めている.本来,人間の学習プロセスは複雑かつ混沌としたものであるが,ある抽象度でモデル化することによって,学びに見通し(学び方)を与えることができる.また,学習モデルは,支援システムをデザインする際の方向性を与える重要な役割を果たす.「Intelligence Augumentation(人間知性の増幅)」をスローガンに掲げており,先端技術を核として知性増幅のためのソフトウェアテクノロジーの研究開発を進めている.

このような観点に立ち,新たな学習・教育環境の創造(Learning Creation)を目的として,

  • 学習モデルのデザイン(Learning Model Design)
  • パートナーロボットとの学習(Learning with Robots)
  • 学習におけるメタ認知(Meta-Cognition in Learning)

の3つの領域に注目して研究に取り組んでいる.

Learning Model Design

理想的な学習プロセスをモデルとしてデザインし,その学習モデルに基づいた学習支援システムを開発することを通じて,新たな学習環境の創造に取り組んでいる.

  • 情報探究における主体的・批判的な学習の促進支援
  • 行政保健師を対象とした災害対応学習モデルの開発

Learning with Robots

「あたかも人間のように扱われる」という特性を持つソーシャルロボットを,学習者に寄り添うパートナーとして活用した研究開発を行っている.ロボットのパーソナリティやロールを想定し,感情表現や振る舞いをデザインすることで,学習者の興味や集中を引き出すインタラクションの実現を目指す.

  • 講義への興味・集中を引き出すロボットのデザイン
  • 英会話へのエンゲージメントを高めるロボットのデザイン

Meta-Cognition in Learning

学習におけるリフレクションを題材に,メタ認知のプロセスをモデル化し,自分自身を見つめ直すことによる学習を促進する研究を行っている.運転シミュレーションや将棋対局といった具体的な課題状況を設定し,自己の判断や行動に対する気づきを促すメタ認知的支援の設計に取り組んでいる.

  • 運転シミュレーションを用いた危険運転のリフレクション支援
  • 将棋対局における多角的なリフレクションの促進

Learning Innovation Grand Prix (LIGP)

mLCが主催している、これまでにない学習・教育方法やスタイル・革新的なラーニングテクノロジーを発掘して新しい学習環境を提案することを目的とした、高等教育機関を対象に2016年から開催されているLearning Innovation Grand Prix (LIGP)に柏原研究室の各チームも応募をしました。以下に応募する際に作成した研究紹介動画へのリンクを掲載しますので、研究に興味がある方は是非ご覧になってください。

2025年 2次審査用動画

2024年 2次審査用動画

2023年 2次審査用動画

2022年 2次審査用動画

2021年 2次審査用動画

2019年 2次審査用動画

2018年 2次審査用動画

2017年 1次審査用動画

2016年 1次審査用動画

YouTube

柏原研究室公式YouTubeチャンネルを2024年に開設しました.
過去のLIGP応募作や学会参加記録など,研究や研究室の雰囲気を伝える動画を順次アップロード予定です.