第49回教育システム情報学会全国大会に参加しました!

お久しぶりです.柏原研M1の渡邉です.

少し前の出来事になりますが,M2の佐田さん,M1の有賀君,佐々木君と一緒に,2024年8月27日から29日に千葉県の明海大学で行われた,教育システム情報学会全国大会に参加しました.

教育システム情報学会(JSiSEとも呼ばれています)は,教育におけるシステムの開発や利活用について研究している研究者が集まっている学会です.柏原研究室の学生が最もよく発表をしている学会でもあります.

教育システム情報学会は,年6回の研究会と,年1回の全国大会を主催しています.全国大会は,研究会よりも規模が大きく,多くの研究者が集まる学会です.私は今まで研究会にしか参加したことがなかったため,全国大会でどのような議論ができるのか,とても楽しみでした.

明海大学前での集合写真

全国大会の初日は,柏原先生がコーディネーターを務めるシンポジウム『AIとの共生社会に求められる学びと教育を描く 〜人と機械の学習の対比からの検討〜』を聴講しました.私の研究でも生成AIを利用した学習支援システムを開発しているため,「生成AIは学習のどのような場面で使うことが適切か」「学習者にはどのような能力が必要か」といった議論を興味深く聞かせていただきました.さらに,生成AIの学習(機械学習)にはない,人間の学びに特有の要素を考察していくと,「分かる」とは何かの議論に行き着くことも面白かったです.生成AIは,人間の学びを捉え直すきっかけとなるほど,教育・学習分野に大きな影響をもたらすツールであるのだと,改めて実感することができました.

全国大会の2日目には,M2の佐田さんの口頭発表がありました.多くの聴講者の前でも堂々としていて,説明も分かりやすくM2らしい発表でした.私の発表は3日目だったので,佐田さんのように堂々とした発表をしたいと感じました.また,佐田さんは今回の発表で奨励賞を受賞しています.学生・若手研究者の発表のうち,4件のみに与えられた賞です.おめでとうございます!

佐田さんの発表の様子

また,2日目の午後には教育システム情報学会関連の表彰式がありました.私はこの度,昨年度の3月の研究会で行った発表が認められ,2023年度研究会優秀賞を受賞することができました.受賞した研究は,当研究室が長らく研究しているWeb調べ学習において,生成AIが利用できるのか,利用できる場合はどのように利用すればよいかを検討したものです.教育における生成AIのあり方が議論される中で,学習における生成AIの効果・影響を明らかにして,少しでも生成AI時代の教育・学習支援の役に立ちたいという思いで,一年間研究をしていました.今回,研究会優秀賞という形でこの研究を認めていただけて大変嬉しく思います.

表彰状と一緒に撮った写真

また,全国大会ではインタラクティブ発表と呼ばれる,ポスター形式の発表があります.M1の有賀君はこの形式での発表でした.私は大学のオープンキャンパスや研究機関の施設公開などで,研究者と一対一で議論をするのが好きなため(NHK技研公開も楽しかったです),インタラクティブ発表で様々な研究者の研究を聞いて議論できることをとても楽しみにしていました.同分野の研究者のポスター発表を聞くのは初めてだったので,自分の研究内容と結びつけたり,自分たちの研究の立場・考え方を反映させながら議論をするという体験が,新鮮で面白く感じました.同年代の学生と意見交換もできたことも楽しかったです.

有賀君のインタラクティブ発表の準備の様子

全国大会の3日目には,私の口頭発表と,M1の佐々木君の口頭発表がありました.私は,「学習・教育支援における生成AIの利用可能性と課題」という企画セッションの中で発表をしました.少し緊張しましたが,自分のキーポイントを理解してもらおうと,わかりやすい説明を意識して発表しました.質疑応答で貴重なご意見をいただくことができて,とても充実した発表になりました.また,他の研究者の企画セッションでの発表を聞いて,想像していたよりも生成AIは多くの場面で利用できるのだと思いましたが,やはり教育・学習支援のためには生成AIをただ使うだけでなく,様々な工夫が必要であることを改めて感じました.佐々木君の発表は,私とセッションの時間が被っていて聞けませんでしたが,同じセッションに著名な研究者がいて緊張したみたいでした.

佐々木君の発表の様子
渡邉の発表の様子

今回,教育システム情報学会の全国大会に参加して,著名な先生方の議論を聞いたり,多くの方と意見交換をすることができて,とても貴重な勉強の機会となりました.次の発表の機会でも充実した議論ができるよう,より一層力を入れて研究を進めていきたいです.

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